Resident memory T cell(1)
初回から勉強の内容ですみません。
免疫学を専攻してない方は下のリンクへどうぞ~。
一般的なつぶやきをしてます。
免疫学のマニアの方はそのまま最後までお読みください。
Dr. Abeko の
note : https://note.com/abeko198505
Twitter : https://twitter.com/beko198505
Resident Memory T cells
って知ってますか?
医師でも知らない人がまだ多い分野なので、
知ってる人いたら、専攻してる人かな?
Resident = 住んでいる
memory = 記憶
T cells はT細胞。
10年くらい前に発見された、T細胞のサブセットで、
皮膚、消化管、肺、生殖器に常駐するT細胞。
もうすでに、敵が来るのを待っている状態のT細胞ね。
10年前に、
菌状息肉症の原因は 『Resident memory T cell の悪性化』
ということが発見されました。
(僕にとってはすごいセンセーショナルで、
現在その発見した先生と仕事してます。)
皮膚に常駐するT細胞の悪性化や、異常な活性化によって、
菌状息肉症(皮膚のT細胞リンパ腫)
や、
乾癬 (皮膚の角化性炎症性疾患)
が生じるんですね。
もちろん、乾癬は炎症性疾患であり
少し多角的な原因でもあります。
Th17細胞とか。
ちなみに僕の専門は皮膚T細胞リンパ腫です。
特に乾癬が『生物学的製剤』という注射製剤で
疾患が消えたように見えても
なぜか、治療をやめると『再燃』する。
つまり、治っていない。。。????
→再燃ということは、、、
→『細胞が覚えている??』
→『memory T cell』の関与?
そんな考えから、
現在、Resident memory T cellが乾癬に関与していて、
そのT細胞を一度やっつけないと
疾患が長く続いてしまう。
しかし、一方で、
皮膚や、消化管などで、長く生き続けることも特徴的な
Resident memory T cellの役割は
「ワクチン」による特異的な抗原に対する免疫にも必要である。
Resident memory T cell が
『死に至る重病を起こす病原体』
を覚えていてくれるから
僕らは安全に暮らせるのだね。
異常なResident memory Tcell だけを
治療によってやっつけられたら、
きっと、
慢性疾患は減るだろうね。
CD69 は 皮膚のResident memory T cell のキーマーカーです。
また、CD69陽性のmemory T cell はresident memory T cellですが、
Resident memory T cellの大半はCD69陽性ではないです。(わかるかな?)
しかし、CD103は、陰性のことも多く、キーマーカーではないです。
初回はこれまで
文字で、スライドを説明するって難しいね。
もう少し、分かりやすく説明できるようにしておきます。
今後の方針
あまり医療的なことを沢山書くと、
ブログ上では
僕が『医師であることの証明』もできないので、
責任がとれませんので、
治療法などは載せません。
『研究』で論文化されていることを
分かりやすく日本語でお伝えしようと思います。
主に免疫、生物学に興味のある方や、
医学部生、研修医、若手の皮膚科の先生に、
届いてくれることを祈っています。
ちなみに、
この画像の内容は学生や後輩向けに作った教育用スライドです。
この個人的に作ったスライドがもったいないので、
はじめたブログなので、
よかったら、一緒に勉強しましょう。
Abeko.